中学生の息子らに影響を与えたベテランの塗装業者さん

私の家は高台に立っているため、屋根の上からだと相当高く感じられる。 車の買取査定同様、家の外壁塗装もネットの一括サイトで業者さんを選んだ。 私、「今日から塗装業者さんが来るから、ちゃんと挨拶をしなさいよ」 息子、「分かっている」 学校へ行くために息子が玄関のドアを開けると、家の前に脚立を積んだトラックが停まった。 トラックから降りて来た人を見て、息子は私に目を合わせた。 息子が私に目を合わせたのは、トラックから降りて来た塗装業者さんが、主人よりかなり年配の人だったから。 私、「御挨拶をしなさい」 息子、「おはようございます」 年配の塗装業者さん、「おはよう」 私、「宜しくお願いします」 年配の塗装業者さん、「こちらこそ、宜しくお願いします」 息子、「行って来るね」 私、「いってらっしゃい」 年配の塗装業者さん、「学校か?」 息子、「はい」 年配の塗装業者さん、「気を付けて行くんだよ」 息子、「はい(微笑む))」 息子が微笑みながら年配の塗装業者さんに返事をしたのは、気を付けるのは、中学生の自分より年配の塗装業者さんのほうだから。 私、「お一人でやられるのですか?」 年配の塗装業者さん、「いいえ、あとでもう1人来ます」 それを聞いてホッとした。 暫くすると、脚立を積んだ別のトラックが家の前で停まり、出て来たのは、これまた年配の人だった。 年配の2人組で大丈夫かな?と思い、来てくれた塗装業者さんの口コミサイトを確認すると、「ベテランの職人さんだけあり、良い仕事をしてくれた」、「丁寧に塗ってくれた」、「誠実な職人さんだった」など評価の高い口コミばかり。 その日の午後、息子が中学校から友達を連れて帰って来た。 私、「塗装をするのに、友達を連れて来たらダメでしょ」 息子、「スグ帰るよ」 息子は友達を2階の自分の部屋に連れて行くと、 息子の友達、「本当だ、お爺さんが塗っている」 息子、「だろ」 息子の友達、「屋根に登って怖くないのかな?」 息子、「凄いだろ」 塗装業者さんは足場の階段を使って、いとも簡単に屋根に登る。 私、「貴方達は真似しちゃダメよ」 息子、「僕達には出来ないよ」 息子の以前までの夢はシステムエンジニアだったのだが、現在は大工さん、屋根を恐れずに登る職人さんに憧れたのだろう。