嫁と姑

庭の手入れをしていると
隣の家のお婆さん、「家を売るのはヤメたの?」
私、「いいえ、売のはヤメてませんよ」
お婆さんの視線の先にあるのは、外壁塗装をしている私の家。
私、「私は、売るのだから外壁塗装をする必要はないと思っているのですけど、お義母さんが・・・」
お婆さん、「お姑さんの気持ち分かるわ」
私の視線の先にあるのは義母の部屋、嫁としては義母に見られてないか気になり、家の中に入った。

旦那、「お隣のお婆さん、何だって?」
私、「貴方も見てたの?」
旦那、「貴方って、どういうこと?」
私、「・・・」

娘が学校から帰って来た。
娘、「友達に家を売るのはヤメたの?って聞かれた」
私、「どう答えたの?」
娘、「知らないって答えた」
私、「知らないわけないでしょ!この家は売るのよ」
娘、「・・・」

昼の3時になると、義母は家の外壁塗装をしている業者さんにお茶を出す。
旦那、「いつも母さんがお茶を出しているの?」
私、「何が言いたいの?」
旦那、「別に」
外壁塗装の業者さんは、いつもお茶を出す義母のことを、どう思っているだろう?
お茶を出さない嫁の私のことは、どう思っているのだろう?

夕方5時、業者さんが帰る準備をしていると、義母が見送りのために家を来る。
私、「お義母さん、私がお見送りしますよ」
業者、「良いのよ、私がするから」
業者さんを見送っても、義母が中々家に戻って来ないため外を見ると、義母はお隣のお婆さんと立ち話をしていた。

私の悪口でも言ってるのかな?
まあ良いわ、この家が売れたら引っ越すのだから。
外壁塗装が終わると
学校から帰って来た娘、「友達に家を売っちゃうの?と、また聞かれた」
会社から帰って来た旦那、「売るのが惜しくなってきた」
庭の落ち葉を拾っていると
お隣のお婆さん、「家を売るのはヤメたの?」
私、「いいえ、売のはヤメてませんよ」
お婆さん、「売るのに、どうして落ち葉を拾っているの?貴方もお姑さんと同じね」
私、「私とお義母さんが同じ?」
お婆さん、「家に愛着があるから、キレイにしてるんでしょ」

どうして、世間は綺麗事で済ませようとするのだろう?
私が落ち葉を拾っているのは、庭が散らかっていると家が高く売れないからよ!
長年住んだ家に感謝するお義母さんとは違うわよ!