外壁塗装が暑さ対策になるのは満更ウソではない

“付き合い始めた頃の妻は可愛かった、肌も髪もツヤツヤしていたが、結婚から20年経つ妻に、当時の面影は微塵も残っていない。
結婚を機に購入したマイホーム、ローンはまだまだ残っているが、既にマイホームはガタが来ている。
妻の肌がボロボロなら、マイホームの外壁もボロボロ、ボロボロでは売るに売れない、これは妻も同じ、引き取り手はいない。
住み続けるにしても手放すにしても、現状のままではマズイ、直すにしてもお金はない、用意できたのはボーナスの80万円だけ。
80万円で何が出来るだろう、80万円をあげるから誰か妻を引き取ってくれと言ってみると、失笑を買った。
色々調べると、80万円で出来ることは、けっこうあった。
80万円出せば最新式の浴槽に変えられる、セキュリティの高い玄関に変えることも出来る。
中身が良くても外見が悪いと誰も買ってくれない、サイディングの張り替えをすると新築のような出来栄えに生まれ変わるのだが、80万円では足りない、相場で200万円ほど掛かる。
悩んだのがクソ熱い夏だったため、暑さ対策になると勧められたのが外壁塗装だった。
妻に外壁塗装をすることを話すと、「ペンキを塗って家が涼しくなるの?」と鼻で笑われた。

私自身も外壁塗装で家が涼しくなることに懐疑的だったが、シッカリ外壁塗装をすれば雨風や害虫の侵入を防げる、決めた外壁塗装をすることに。
保険や車を選ぶ時と同じように、塗装業者もネットの一括サイトで調べることができ、見積もりの価格が安く、しかも、利用者の評判が良い業者に外壁塗装を依頼した。
足場を組むのは専門の業者さん、そのほうが安上がりらしい。
足場が組まれると塗装業者が来た、塗装面のヒビ割れ等を直すのは塗装業者、建物の補修はてっきり大工さんが行うものだと思っていた私は、塗装業者で直せるのか心配だった。
私、「何をしているの?」
塗装業者の若者、「シーラーを塗っています」
私、「何のために?」
塗装業者の若者、「シーラーを塗らないと塗料が乗らないのです」
暫くその若者を見ていたのだが、何度も同じところにシーラーを塗っているため、「こいつ、大丈夫かな?」。
シーラーについてネットで調べると、シーラーには化粧前に塗る保水液と同じ働きがあることが分かり、保水液を塗らないと肌はカサカサ、カサカサの肌では化粧が乗らないのと同じ理屈。
そう言えば、うちの妻は面の皮が厚くしかもカサカサに乾いているため、化粧前に何度も保水液を塗っている。
顔がカサカサしていれば、他の皮膚も乾燥をしているのか、妻が風呂に浸かるとお湯がなくなる、これは風呂のお湯を妻が吸収したわけではなく、太っている妻が風呂に入ったことでお湯が溢れたからだ。

万遍なくシーラーを塗ると、それ以上はシーラーが吸収されなくなった。
ここまで来てようやく塗料を濡れる、潤いのある肌だと化粧のノリが良いように、十分にシーラーで潤った外壁パネルは塗料のノリが良い、職人さんの塗るハケの滑りが見ていて気持ち良いくらいだ。
全体に塗り終えたら養生用シートを剥がすのだが、塗装した部分が太陽に当たると新築当時と同じように眩しく輝いた。
外壁塗装をしたことで、例年より夏が涼しく感じられた、エアコンを使う回数が減った。
家で快適に過ごせると妻はイライラしなくなった、それだけでも外壁塗装をした甲斐はあった。
イライラしなくなった妻は気分が良いのか、「たまには2人で出掛ける?」と私に聞いてきたが、私と妻が2人で?ゾッとした私は血の気が引いたのか寒気がした。”

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